こんな症状の場合は注意!
● 鼻水
● 鼻づまり
● 頭痛、顔面痛
● 鼻の中に悪臭を感じる
● 匂いがわかりずらい(嗅覚低下)
● 鼻水がのどに落ちる(後鼻漏)
● 痰や咳
副鼻腔炎とは鼻の副鼻腔と言う場所に炎症が起きる病気です。昔は副鼻腔に膿が貯まる副鼻腔炎を蓄膿症と呼んでいました。膿が貯まるほどひどくない副鼻腔炎もあります。
副鼻腔とは、前頭洞、篩骨洞、上顎洞、蝶形骨洞の4つです。
副鼻腔炎の原因は、細菌(風邪の後に生じることが多いです)、真菌(カビの一種です)、アレルギー性鼻炎(ハウスダストやダニ、花粉などが原因です)、虫歯など様々です。
その原因によって治療方針が異なりますので、原因にあった治療が必要です。また、年齢によっても治療方針が異なります。
鼻 水 | くしゃみ | かゆみ | 発 熱 | |
---|---|---|---|---|
副鼻腔炎 | ドロッとしている | × | × | △ |
アレルギー性鼻炎 | さらっとしている | ○ | ○ | × |
風 邪 | 経時的に症状は変化 | ○ | × | ○ |
風邪のウイルス感染のあとに続く細菌感染が原因のことがほとんどです。
元々アレルギー性鼻炎をお持ちの方が風邪をひくと、急性副鼻腔炎になってしまうことがしばしばあります。
普段はほとんど症状がないアレルギー性鼻炎の方もたくさんいらっしゃいます。
急性副鼻腔炎になって初めて、アレルギー性鼻炎があることに気付かれる方も多いです。
自覚されずに、痰や咳だけ感じている方もたくさんいらっしゃいます
● 鼻水
● 鼻づまり
● 頭痛、顔面痛
● ほおの圧迫感や違和感
● 鼻の中に悪臭を感じる
● 匂いがわかりずらい(嗅覚低下)
● 鼻水がのどに落ちる(後鼻漏)
● 鼻水がのどに落ちる事による痰や咳
※ 上記の症状が全て出現するという事ではございません。中には、副鼻腔炎が中耳炎の原因となっていることもあります。
最初はかぜのような症状でサラサラとした鼻水ですが、次第にどろっとした悪臭を伴う黄色や緑の鼻水に変わってきます。この鼻水がのどにおちて、痰や咳の原因になることもあります。
稀ではありますが、副鼻腔の炎症が目や脳に進むこともありますので注意が必要です。副鼻腔炎の症状があるのに耳鼻咽喉科を受診せずに放置していると、視力が落ちたり、意識障害まで生じることがあります。
急性副鼻腔炎診療ガイドライン(日本鼻科学会発行)に沿って、患者様のご希望やライフスタイルに合わせて治療を行います。
これらの治療で軽快しない場合は手術を検討する事もあります。
(※1)ネブライザー治療:霧状の薬剤を鼻・口から吸入することによって患部に直接薬を当てるものです。ネブライザーを行うことにより患部に効率よく薬を作用させることができます。つまった鼻の通りを良くし、鼻汁を出しやすくしたり、鼻腔粘膜の腫れなどを鎮めます。
副鼻腔炎の症状が3か月以上続く場合は慢性副鼻腔炎といわれます。
● 鼻水
● 鼻づまり
● ほおの圧迫感や違和感
● 鼻の中に悪臭を感じる
● 匂いがわかりずらい(嗅覚低下)
● 鼻水がのどに落ちる(後鼻漏)
● 鼻水がのどに落ちる事による痰や咳
※ 上記の症状が全て出現するという事ではございません。
慢性副鼻腔炎はあまり痛みは伴いません。一般的に副鼻腔の粘膜に炎症を起こすと、粘液や膿が副鼻腔に貯まりますが、通常は鼻腔とつながる穴(自然口)から粘液、膿が徐々に排出され、次第に治っていきます。
慢性副鼻腔炎は長年の炎症から粘膜が腫れたままになったり、鼻茸(鼻のポリープ)ができたりして、この自然口が狭まることから膿、粘液が十分排出されず、難治となったものです。薬物治療をおこなってもなかなか改善しないときは、手術治療を検討します。
治療経過が思わしくない場合や腫瘍などを疑う場合は、CTやMRIなどの画像検査をお勧めさせていただきます。
マクロライド少量長期投与(※)という薬物治療があり、薬で改善することも多くなりました。それでもなかなか改善しない場合は、内視鏡下副鼻腔手術という手術を行います。
内視鏡で鼻の中をみながら鼻茸をとったり、狭くなった自然口をふたたび広げる手術です。手術で広げた自然口から膿や粘液が再び排出されるようになると、副鼻腔に換気がなされ粘膜の腫れも引き、副鼻腔が治っていきます。
(※)マクロライド少量長期投与:マクロライド系の抗生物質を通常の半分量で2~3か月内服する治療法です
副鼻腔炎の多くは薬物療法や内視鏡手術で改善できるようになりました。
しかし好酸球性副鼻腔炎は両側の多発性鼻茸とムチンと呼ばれる粘調度の高い鼻汁により、高度の鼻閉と嗅覚障害をひき起こす、成人発症の好酸球が関与した難治性の副鼻腔炎です。
また気管支喘息やアスピリン喘息も好酸球炎症がかかわっているため、同時に罹患していることが多いです。
通常の副鼻腔炎の薬物療法では効果がなく、ステロイドを使用した治療をおこないます。
放置状態が長期化すると不可逆性の難治性ポリープとなり手術療法が必要となります。
症状は嗅覚障害、鼻づまり、鼻汁、頭重感などですが、症状だけで診断はできず、画像検査や血液検査、病理検査などを利用し総合的に診断します。
臨床的に疑うには
1. 両側性の病変であること
2. ポリープが存在する事
3. 副鼻腔CTで篩骨洞優位の病変であること
4. 血液中の好酸球値濃度が高い事
中等症以上の好酸球性副鼻腔炎は難病指定疾患の対象です。
病状に合わせて治療法を適切に選択することが重要です。
ステロイド含有の点鼻薬やステロイドの内服治療が主ですが、補助的に抗アレルギー薬などを併用します。
しかし病状が悪化するとステロイドも効かなくなるため手術治療が必要となります。
しかしながら手術の目的は根治ではなく、ポリープを一掃し副鼻腔を単洞化することで、術後の吸入ネブライザー療法や鼻洗浄療法、点鼻薬などの薬効を最大限に高め、寛解状態を維持しやすくすることが目的です。ゆえに術後再発しないように鼻のケアや薬物治療がとても重要となります。
※統計によると軽症~重症含めて内視鏡下副鼻腔手術を行った場合、術後6年で50%の症例が再発するとされています。
真菌(カビ)が原因で発症した慢性副鼻腔炎を指します。
通常の副鼻腔炎よりも難治性で通常の抗生物質では効果がありません。
自覚症状が無く共存するタイプの寄生型副鼻腔真菌症が最も多く、人間ドックなどで偶然発見されるケースが多いです。
副鼻腔真菌症は大きく分けて
①寄生型副鼻腔真菌症
②浸潤型副鼻腔真菌症
③アレルギー性副鼻腔真菌症
があります。
副鼻腔にカビが生える原因は様々ですが、湿度が高く温かい環境を好むカビの特性を考えれば納得できます。
免疫抑制剤やステロイドなどの免疫力の低下する薬剤を長期的に使用されている方や、糖尿病をお持ちの方や高齢者も免疫力が低下しますのでかかりやすくなります。
治療法は手術治療となります。
寄生型副鼻腔真菌症は自覚症状が無い為、疾患に対する理解がないと手術治療に対してどうしても消極的になりがちです。
寄生型副鼻腔真菌症は時として浸潤型へ移行します。寄生型の2割程度が移行すると言われております。浸潤型副鼻腔真菌症に移行するととても大変です。浸潤型副鼻腔真菌症も様々な分類が出来ますが、治療の甲斐なく5割程度の方がお亡くなりになられるといわれているほどの致死率が高く、難治性の疾患です。
万が一助かっても、失明したり、意識障害が残ったりすることがあります。
当院の検査で寄生型副鼻腔真菌症と診断を受けた方は、これらの事を踏まえて手術治療に専念していただくようご理解ください。
鼻の入り口付近の皮脂腺や毛嚢に炎症を起こしたものを鼻前庭炎といいます。
鼻の穴の周りが赤く、かゆい、痛いという症状がでます。副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎で鼻汁が多く出たり、鼻をいじりすぎたりすることが誘因となります。治療には抗生剤入りの軟膏を塗ります。